愛に生きる。

ココロノマルシェの回答 ~強い罪悪感の奥にある、深い愛~

こんばんは。

心理カウンセラーのみらいと申します。

 

”ココロノマルシェ”という皆様から寄せられたご相談に、根本裕幸さんのお弟子カウンセラーがお答えしていくサイトがあります。

cocoro-marche.com

 

今回わたしも、この中のひとつのご相談に回答させていただきました。

他人事とは思えないほどよくわかる、ご相談内容でした。

 

 

こんにちは。
医療を学ぶ大学生です。
私はとある選択を大失敗してしまいました。いま思えば、なぜこんな選択をしたのか。過去の自分の考えがあまりにも幼稚で馬鹿で自分勝手だったかを思い知らされました。通常なら間違えないような選択です。
その選択をしてから3ヶ月、ずっとずっと後悔と自責の念に駆られ、本当に毎日辛いです。少しでも辛い気持ちを和らげるため、たくさん調べてたくさん考えてたくさんの方法を試しました。でも、気持ちが少し軽くなったとしても、「自分のせいだ。この辛い状況は自業自得なんだ。自分なんかが楽しく生きていいわけがない。」などと思ってしまい、すぐに辛く苦しい気持ちが襲ってきます。
こんな私でも生きていていいでしょうか。自業自得だけど、辛さから解放されてもいいのでしょうか。どうしたらこの苦しみや後悔から抜け出せるでしょうか。
長文失礼いたしました。 (おもちさん)
 

 

おもちさん、はじめまして。医師×心理カウンセラーのみらいと申します。ご相談文を読んでいて、とてもよくわかるなあと感じていました。

わたしもおもちさんと同じ感情を抱き、来る日も来る日も強い後悔と自責の念に駆られていたことがあります。こんな自分なんていなくなってしまえばいいと、消え入ってしまいたいと感じていたこともありました。きっと、この3ヵ月間は、おもちさんにとって生きた心地はしなかったんじゃないかと思います。

頭の中は常に過去の自分への後悔と責める気持ちが溢れていて、美味しいものを食べても心から味わえない。楽しいことがあっても心から笑えない。嬉しいことがあっても心から喜べない。きっと、そんなふうに感じていらっしゃったのではないかと思います。

そして、自分はそんな楽しい感情を感じてはいけないんだと、ご自身を抑圧して過ごしてこられたのではないかと思います。もしかしたら、この3か月間、そうやってご自身を責めて辛い思いをしながらも、そんな自分を周りに気付かせないように気丈に振る舞い、隠してこられたのかもしれません。

本当はずっと、苦しくて、辛くて、心の中は泣きたい気持ちでいっぱいだったのではないでしょうか。ここではどれだけ弱音を吐いても、苦しい思いを綴っても、誰にも言えなかった思いを叫んでいただいても構いません。おもちさんを責める人は、ここには誰一人としていません。

おもちさんにとってここは、安心して、そういったことをしていただける場だと感じています。

だからどうか、責めたい気持ちでいっぱいなご自身の心に振りかざした拳を少し緩めて、その気持ちの奥にあるご自身の心に、少しずつ触れていけたらと思っています。

 

ご自身のペースで、この先の文章を読んでみてくださいね。

具体的なことについては分からないので、ここからはおもちさんの文章から想像して、一般的なお話しも織り交ぜながら、お話させていただきますね。

 

▷なぜこんな選択をしたのか。過去の自分の考えがあまりにも幼稚で馬鹿で自分勝手だったかを思い知らされました。通常なら間違えないような選択です。この文章を読んだとき、ものすごく、他の誰でもないおもちさん自身がご自身のことを攻撃されているように感じました。

「幼稚で、馬鹿で、自分勝手だった」とご自身を罵倒し、「通常なら間違えないようなこと」だと、まくしたてるかのようにとてもきつく責めていらっしゃるように感じました。まるで、おもちさん自らがご自身に対して、「お前のせいで」と拳を振り上げているような、そんなイメージがわいてきました。

どのような失敗だったのかはわかりません。ですが、もし周りに迷惑をかけてしまったような失敗だったとしても、たとえ周りが、「もう責めなくていいよ」とおもちさんのことを許したとしても、おもちさん自身が「自分は許されてはいけないんだ」と、ご自身を責める気持ちを止めることができないのではないかと感じています。おもちさんを許せないのは、他の誰でもなくおもちさん自身なのではないかと感じました。もしかしたら以前から、おもちさんの中にはずっと「こんな自分は責められなければならない」という思いがあるのかもしれません。

「こんな自分は罰せられなければならない」

という思いをずっと抱いているからこそ、罪悪感を感じるようなことが起こった時に、これほどまでに強く自分を責めてしまうのかもしれません。

そして「こんな自分は許されてはいけない」という思いも抱いているからこそ、時間がたった今もなお、責めることをやめることができないのかもしれません。でも、きっと、その心の奥深くには本当はずっと、深く傷ついてきたおもちさんと本当はもっと、自分のことを分かってほしい、気づいてほしいおもちさんと本当はもう、自分を責めることをやめたいおもちさんがいるのだと思います。「だれか、たすけて」この文章を読んでいて、心の奥深くにいるおもちさんが、そう伝えているような感じがしました。きっと、ご自身を責めなければいけないとずっと感じてきた一方で、本当は、ずっとどこかで、ご自身を責めることをやめたかったのだと思います。おもちさんが、「自分は罰せられなければならない」「自分は許されてはいけない」と感じるようになったのは、いつからなのでしょうか。おもちさんの中で、なにか心当たりのあることは、あるでしょうか。おもちさんの中にあるのはきっと、強烈なほどの罪悪感なんだと思います。それほどまでに強い罪悪感を抱くようになったきっかけを、見に行けたらと思います。おもちさんの過去やご家族について詳しいことはわかりませんが、もし今までにも同じような感情を感じることがあったのだとしたら、おもちさんの幼少期にヒントが隠されているように思います。

もし、お話をうかがえるなら、おもちさんに聞いてみたいことがあります。まず、・「自分は罰せられなければならない」という思いは、以前から抱いていたのでしょうか。・「自分は許されてはいけない」という思いは、以前から心のどこかにあったのでしょうか。そして、・おもちさんのご両親は、どんなご両親でしたか。・おもちさんとご両親との関係は、どのようなものだったのでしょうか。・何か問題が起きたときに、「お前のせいだ」と一方的に責められたことはあったでしょうか。・その時に、「自分の気持ちや状況を受け入れてくれなかった」「自分の言葉を聞いてもらえなかった」という思いを感じたことは、あったでしょうか。・もしくは、どんな状況であれ「きっとこれは自分のせいなんだ」と言い聞かせて、背負っていたことはあったでしょうか。おもちさんの幼少期やご家族についてはわからないので憶測にはなってしまいますが、幼少期に自分の感情や状況を見てもらえることなく、ご両親や周りの人から一方的に怒られたり責められたりした経験がある場合、

大人になってからも何か問題が起きたときに、一方的に自分が悪いんだ、自分はダメだったんだと、まるでご両親にされたように自分に対して怒りを感じ、ひたすらに責めてしまうことがあります。また、ご両親が不仲だったり、機嫌が悪くいつも怒っているような環境にいた場合、「親が怒っていたり、幸せそうでないのはきっと自分のせいなんだ」

と子供は感じてしまうことがあります。

そうすると、大人になってからも、何かしらの不都合があったときに「これはきっと自分のせいなんだ」と、そんな思いを抱いてしまうことがあります。また、幼少期に自分の心が深く傷つくようなことを自分自身がしてしまったとしたら。「こんな自分は決して許されてはいけない」「こんな自分は皆から責められ、罰せられるべきだ」

と、自分で自分を許さないことを心に誓い、大人になってからも自分のことを許せずにいる方もいます。

こうやって、幼少期に感じた様々な心の痛みから罪悪感を抱くようになると、大人になってからも

「自分が悪いんだ」

「自分は罰せられるべきだ」

と強く感じるような状況にあうようになりますし、さらに、

「こんな自分は決して許されてはいけない」

という思いも併せて持つことで、その罪悪感から自分を解放することを自分がさせないようにしているという状況を生むこともあります。もしかしたら既に扱ってきている内容かもしれませんが、今のおもちさんにとっては、罪悪感を抱くようになったおもちさんの過去と、自分は許されるべきではないという思いを感じるようになったきっかけについて、今一度向き合っていくのが良いのかもしれません。

向き合い方について、おもちさんには二つの方法をご紹介しようと思います。どちらか片方のみでも良いですし、両方試していただいても構いません。

 

ノートを1冊用意してください。(携帯などのメモ機能でも構いません)

ご自身の過去を振り返りながら、思い返した時に湧き上がってきた感情を、ノートにぶつけていきましょう。頭で考えるよりも、湧き上がってきた感情をただノートに文字として書き起こしていくようなイメージで。

感情をそのまま目に見える形で書き表すように、そこに感じるのが大きな怒りなら、大きな文字で書きなぐってみてください。ノートを突き破るくらいに強い筆圧で書いていただいても構いません。

胸をえぐるような苦しみ、深い悲しみ、強烈な孤独感なら、それに似合う文字の大きさ、筆圧の強さ、濃淡の濃さ、乱雑さ、文字の形などを思うがままに表現してみてください。そうやって、自分が今まで誰にも言えずに心の内に抱えてきた思いを、ノートに吐き出してみてください。

これほどまでの強い思いを抱いていたのかと、感じられるかもしれませんし、書いても書いても溢れてきて止まらないという感覚になるのかもしれません。

また、もしかしたら何も出てこないときもあるかもしれません。その時は、「何も出てこない」「何も感じない」という今の心の状態を、書き表してみてください。

そして、何も出てこないときは無理にだそうとせず、「何も感じない」というご自身の心情を、文字を通して眺めていてください。そうして過ごしているうちに、必要な時に、必要な情報がおりてくると思います。

子供の頃の自分を投影するぬいぐるみを、ひとつ選んでください。

子供の頃の自分を抱きしめてあげるように、そのぬいぐるみを抱きしめてあげてください。ご自身が罪悪感を抱くようになったきっかけや、自分を許さないと決めたきっかけがあるのであれば、それを思い返しながら。こう、伝えてあげてください。

「よく、頑張ってきたね」「本当はしんどかったんだよね」「本当は辛かったんだよね」「本当は、ずっと、苦しかったんだよね」「本当は、自分のせいだなんて、自分を責めたくなかったよね」「本当は、自分の言い分だってあったよね」「本当は、もっとみんなに、自分のことを聞いてほしかったよね」

今まで頑張ってきた自分を慈しみ癒すように、そのぬいぐるみのことをぎゅっと抱きしめ、慈しみ、労わってあげてください。幼少期のおもちさんは、なんと言っていますか。何を伝えたそうに、しているのでしょうか。

本当は、伝えたかったこと、言いたかったことが沢山あったんだと思います。でもきっと、それらの言葉を誰かに伝えることは、なかったんじゃないかと思います。

大人になったおもちさんが、その思いをただ聴いて、受け止めてあげてくださいね。そして、ここからは個人的な考えになるので、読み流していただいても構いません。

もしかしたら、おもちさんは心のどこかで、「自分を許さないこと」で自分を守ってきたのかもしれないなと感じました。自分で自分を罰し、許さないことで、「これほどまでに自分のことを罰しているのだから、もう許してください」そう、周りに許しを乞うているのかもしれません。

厳しい自罰と引き換えに、これ以上周りが自分を罰し、責めることを防いでいるのかもしれません。もうこれ以上自分が傷つくことから、自分を守っているのかもしれません。そして、もしそうだとしたら、だからこそ自分を罰することをやめられなかったのかもしれません。

やめてしまったら、周りから攻撃されてしまうかもしれないから。それならば、自分が自分を罰しようと、選択してきたのかもしれません。そこには、それほどまでに深く傷ついたおもちさんがいるのだと思います。そして、この究極の選択をするほど、本当に自分を守りたかったんだとも感じています。自分を許すことができないという心の裏側には、このような思いも隠れているのかもしれないなと感じました。

強烈なほどの罪悪感も、自分を許さないと決めた思いも、その奥にあるのは自分や周りに対する深い愛故だと感じます。

ご両親のことも、周りのことも、大切で守りたかったからこそ、何かあったときに自分のせいにすることを選び続けてきたんだと思います。そして、こんなことをした自分は許されるべきではないと、自分に深い罪の意識を植え付けたんだと思います。

そして、ご自身のことも、これ以上傷つけたくないと、守り続けたかったんだと思います。おもちさんは、それほどまでに、自分や周りを大切にしたかったんだと思います。

おもちさんの愛はそれほどまでに、大きかったのだと思います。きっと、この3ヵ月間ずっと向き合ってこられたと思いますし、できることは全てやってきたと思います。

もし、おひとりで向き合うのがこれ以上は難しいと感じたときには、おもちさんが安心できる場所で、信頼できる方に、ぜひ頼ってみてくださいね。そのツールのひとつとしてカウンセリングを使っていただくのも、良いのかもしれないと感じています。これほどまでに周りを大切にし、大きな愛をもつおもちさんは、きっと素敵な医療関係者になられるのではないかと感じています。

同業者として、とても素晴らしい素質を持つ方だなと、読んでいて感じました。

おもちさんのことを心から、応援しています。